1.はじめに
5. 中国情報: 2008年3月アーカイブ
1.はじめに
世界の国内総生産(2005年、名目)は、44兆ドル。
中国が2兆2千億ドル(5%)で5位。日本の1/2である。
しかし、これを購買力平価(PPP)に換算すると、中国は
8兆5726億ドルと日本の倍になり、アメリカに次ぐ世界
第2の経済大国となる。
2007年4月12日、温家宝総理が訪日。翌日、国会において
演説を行い、「中国は改革開放29年来の大きな成果を得たが、
人口は多く、底が浅く、甚だしく不均衡な発展であり、未だに
発展途上国である」と 位置づけ、「その発展途上において、
資源・エネルギー・環境がボトルネックとなっている」と指摘
した。
いわゆる「先富論」である。確かに一部の人、一部の地域は裕福になったが、裕福になった人や地域は「先富」に専念し、落伍した人や地域を「援助」しなかった。
「BP世界エネルギー統計レビュー2006」によれば、中国のエネル
ギー消費(2006年)は、8.4%増加し、世界の増加量の過半を占めた。
GDPが2兆6447億ドルと10.7%増を達成したが、国務院が期待した
弾性値0.5を大きく超えてしまった。発電量は13.5%増の2兆8344億
キロワット時に達し、うち火力発電が2兆3573億キロワット時で、
83.2%を占めており、CO2、SO2対策が最重要課題となる。
中国の電力消費量(2007年)は、3兆2559億キロワット時であり、
前年度比14.4%増であった。設備容量は7億1329万キロワットに達
した。前年比14.36%増である。また環境対策として、効率の低い
小型発電ユニット1438万キロワットを閉鎖している。
◆西部地域に74箇所の空港建設
~「11次5ヵ年計画」で520億元の投資~
中国民用航空総局(以下、民航総局)は、「11次5ヵ年計画 (2006~2010年)」期間中、西部地域に37箇所の新空港を建設、6空港の移転、31空港の改修・増築工事の合計74箇所を建設すると発表した。これにより、多くの西部地域の人々の航空利用者が増えていく。西部地区への空港整備建設の投資額は520億元、新空港建設への投資額は96億元になり、東部地域を上回る額となる。
発表によると、現在西部地域の民間航空機の利用できる空港は54ヶ所、国内全土の空港総数の38%であり、西北地域の空港密度は華東地区のたったの1/5にすぎない。西部地域は広大な面積を持ち、経済の成長とともに民間航空に対しての需要はますます大きくなっている。とりわけ一部の辺鄙(へんぴ)な地区にとって空港建設は、利便性が非常に高い。
昨年、民航総局と西部地域の幾つかの省が共同で「11次5カ年計画」期間中に飛行場建設の計画について合意した。
その中で、西蔵阿里地区(チベット自治区)に2010年10月1日に世界で最も標高の高い場所に空港建設の計画があるが、阿里地区の気候は劣悪なうえに道路状況も複雑のため、毎年5-10月の期間のみ通行が許されているような状況であるが、そのような環境の下で工事を進める事になる。
海抜4000mの青海玉樹に建設する三江源空港は、そこから西寧までの飛行時間を1時間以内で到達できる。内モンゴル空港は2010年までには12箇所建設し、東部の草原地帯から西部の荒野・砂漠の辺境まで全て支線飛行場を建設する。新疆空港は、11次5ヵ年計画期末までには20箇所増設する。
これに基づき、民航総局は一定期間内に西部の小型飛行場や部分的な路線のフライトに対して補助を予定している。
澳門(マカオ)が中国に復帰して7周年記念という12月14日、世界華僑華人中国平和統一促進大会が当地で開かれた。40カ国、870地区の反独促統の組織から1000人の代表が澳門東亜運動会体育館総合劇院に結集した。
日本からは全日本華僑華人平和統一組織として、会長の金翬氏を始め9人が参加、会務分科会に金会長が参加した。文化分科会では陳仁端、王智新両代表が発言した。両岸関係分科会に庚欣代表が参加し発言した。
当日は澳門復帰7周年写真展の開幕式も行われた。
◆来年の中国招聘人材は延べ3万人
新華社によれば、中国全国人事局会議では、来年の外国から招聘する予定人材数は全部で3万人、主に経済技術専門家が延べ1万人、教育文化衛生の専門家は延べ2万人を計画しているという。
◆日本―マカオ直行便間近
澳門駐在の日本総領事・佐藤重和氏がマカオ復帰7周年について、双方の交流がます増えたことに鑑み、近い将来に、日本―澳門(マカオ)直行便が開始する見通しだと語った。また、マカオを訪れる日本人旅行者が昨年より30%は増えるだろうとも語った。
関連データ
トン数――6.100トン
全長―――154メートル
全幅―――17メートル
喫水―――7.3メートル
速度―――29ノート
艦載機――ヘリコプター1機
乗員―――345名
07年4月18日0時から、(*)第6回全国鉄道スピードアップが実施される。鉄道部は、第6回全国鉄道ダイヤ改正状況を紹介し、併せて記者の質疑応答に答えた。
鉄道部副部長胡亜東は会見で、第6回ダイヤ改正後、国内全路線の旅客列車の加速化を掲げ、主要都市間の運行時間を全体的に20―30%短縮する。
旅客列車の運行時間はさらに短縮されていく。今回の改正後、全路線の旅客列車の加速化を掲げ、主要都市間の旅行時間も20―30%短縮された。その中でも運行時間の最大短縮区間は上海から南昌、長沙までの列車であり、加速化後は上海から南昌までの運行時間が5時間8分になり、従来に比べて5時間45分の短縮。長沙までは7時間30分で運行し、従来の運行時間から1/2も短縮された。
運行時間がもっとも短縮された区間は、北京から福州までの列車で、運行総時間が19時間40分になり、従来の運行時間から14時間近くも短縮された。北京から上海、青島、漢口、南昌までの各主要都市間の運行時間も、それぞれ2時間近く短縮された。北京からハルピンまでは2時間40分の短縮、瀋陽までは1時間33分、北京から済南・鄭州までも以前より1時間近くも短縮される。武漢から杭州、上海までの運行時間も以前より3~4時間短縮される。
これ以外、すべての旅客列車運行時間はそれぞれ短縮化され、発着時刻の最適化が得られて多くの旅客者の移動が便利になる。
これまで、5回のスピードアップ化は運輸能力が向上したが、今回の改正後は、更に12―18%以上も増加した。特に主要幹線の運行速度は時速200km及びそれ以上の速度を出す車両を装備し、広大な土地を5000トン級の貨物列車が運行していく事になる。 我が国の鉄道は、すでに世界レベルまでに達したことを現している。これは中国鉄道の発展史上1つの重要な道標であり、我が国の鉄道建設を推し進める事により、国内経済が良好になり、国民生活の発展に影響をもたらす事になる。
(*)第6回全国鉄道スピードアップ・・・・・中国鉄道部が全国規模で実施する第6回目の列車スピードアップ。
実施は2007年4月18日。鉄橋やトンネル、電力供給、信号などの設備の更新や、外国企業の技術供与による技術新型車両の導入などが大幅に盛り込まれている。
~2010年までの規模は30%近く成長~
中国鉄道部は、11次5カ年計画(2006年~2010年)で、旅客運搬の路線を建設すると同時に、中西部の鉄道建設も強化していく。2010年までには、西部鉄道網の総規模を35,000kmまでにし、中部地区と西部地区の規模はそれぞれ25%、27%ずつ伸ばしていく。
現在、蘭渝鉄道(蘭州―重慶)の工事建設の前期段階は順調で、国家はすでに専門家グループによるアセスメントを行い、この計画の正式な許可が出次第すぐ建設にとりかかる。
蘭渝鉄道は西部鉄道網の幹線であり、西北・西南の2大地域間の交流が最も速く便利であり、貨客主要コースである。
該当線路の西北部および西南地区間の輸送は、長い間逼迫している状態を改善できる。
貴陽(貴州省)までの広州快速鉄道の開設プロジェクトも正式に工事が始まる。
この鉄道は、西南・華南・華東各地区を結ぶ重要な路線で、その距離は820km、時速は250km、建設後は貴陽-広州の運行時間は5時間以内に短縮され、ボトルネック状態になっている西部と珠江三角洲(広州・香港・マカオ)地区の交通がスムーズに改善出来るようになる。
大理-瑞麗、大理-香格里拉(シャングリラ)の、雲南省内の北部と西部へ進む事(北進西拓)を中心とした雲南鉄道建設の幕は開けた。11次5ヵ年計画期間で、同鉄道建設への投資額は約500億元、2010年までには新路線を1100km。2005年と比較すると50%増となる。
国内中部の武漢―広州、鄭州―西安、石家庄―太原、九江―南昌の都市間を結ぶ旅客専用の鉄道建設は順調にすすみ、また合肥―南京,合肥―武漢間の鉄道建設も11次5ヵ年計画期間中に完成・運営の予定である。
◆中国2007年の投資は2560億元
●新線建設2099キロメートル
●複線化2347キロメートル
●電化2019キロメートル
鉄道部の発表によると、中国の鉄道建設投資額は、総額2560億元(3兆8400億円)に達する。新線建設2099キロメートル、複線化2347キロメートル、電化2019キロメートルである。
現在、プロジェクトの前期建設は順調に進捗している。第一四半期は全プロジェクトをプロポーザルに乗せ、前半年には全プロジェクトを立て、第三四半期では全S/Fを完成させ、北京・上海高速鉄道など重点プロジェクトの順調なる起工を確保する。
鉄道の建設プロジェクトは、順調に推移している。今年は、北京・天津の都市間鉄道建設にとって、最重要の年であり、2008年のオリンピックの前に完工させなければならない。(石)家庄・太(源)間客車専用線の太行山トンネルは、国内最長だが、年内開通を目指す。鉄道省は、エンジニアリング品質、事故賠償制度、品質寿命期間管理方法を整備し、トレーサビリテイーの可能なエンジニアリング品質責任追及制度を確立し、予算、入札、工事検査、価格計算など重要な結節点を制御できる措置を講じ、建設資金のリモートコントロールを可能にし、建設投資を節約しようとしている。
『鉄道「第十一次五カ年」計画』、「第十一次五カ年」(2006~2010年)の期間において、中国は鉄道新線17000キロメートトルを建設する。内訳は、客車専用線7000キロメートル、複線化8000キロメートル、電化15000キロメートル。2010年には、全国の鉄道営業線路は、9万キロメートル以上に達し、複線、電化の比率はそれぞれ45%以上に達する。高速客車網は、20000キロメートル以上となり、石炭輸送経路は18億トンの容量になり、西部線路網が35000キロメートルとなり、全国をカバーするコンテナ輸送システムが形成される。「第十一次五カ年計画」の鉄道基本建設総投資額は、12500億元(18兆7500億円)に達し、「第十次五カ年計画」の4倍となる。
新華社電によるとチベット自冶区発展改革委員会の金世洵主任は青海チベット鉄道の最初の支線となるラサ~シガツェ線(全長252キロ)の年内着工を目指すことを明らかにした。ラサ~シガツェ線の建設はチベットの「11.5」計画の重点事業である。今月末までに事業化調査を終わらせ、5月末までに設計プランをまとめる。年内に着工し、2010年の完成を目指す。
北京市の地下鉄総延長が2020年までに561.5キロに達し、ニューヨークを抜き、総延長が世界最大になる見込みである。国際地下空間学術会議で明らかになったと新華社が報じている。
北京市の地下鉄は2020年までに19本になる。同市は「四縦(南北方向)二横(東西方向)」の地下鉄網を建設して長安街や環境道路の交通渋滞を緩和する。計画によると、市内西側に建設される2本の南北方向の地下鉄は環状道路西二環と西三環の交通渋滞を緩和する。金融街や中関村などを通る。東側に建設される2本は環状道路東二環と東三環の交通渋滞を緩和する。長安街の南北両側に建設される東西方向の地下鉄は長安街などの交通渋滞を緩和する。
北京市の地下鉄網建設の第一段階は2005年から10年までの期間である。同市の現在の道路網は格子状の道路網と複数の環状線からなっており、二環を除き、深刻な交通渋滞がみられる。
1.高架鉄道 :全長の86%を高架橋レールが占め、高さが6~10メートル
2.スラブ軌道:スラブ軌道を採用。和諧号はバラスト軌道の為、200キロ。
3.シームレス レール:長さは1本当たり500メートルに達し、シームレス溶接を採用している。
◆中国のCO2が世界最大に
国際エネルギー機関(IAE)2007年版の年報「世界エネルギー見通し」によれば、07年に中国が米国を抜き、世界最大のCO2排出国になる。インドも、今年4月からの五カ年計画で発電能力をいまの6倍に高める方針であり、中米に次ぐ排出国になることは必至である。2015年には、米中印の3カ国で排出全体の半分を占める見通しとなった。
中国の発電量(06年)は、前年比13।5%増の2兆8344キロワット時に達した。電源構成は、火力発電(83.2%)、水力発電(14.7%)、原子力発電(1.9%)である。火力の殆どが排出量の多い石炭であり、この構成が短期間に変わることは期待できず、高度経済成長を続ける限り、発電量も増大する。排出を削減する為には、技術と設備が必要であり、投資総額も膨大なものになる。
対中投資の魅力の一つが、「二免三減」といわれる外資優遇税制である。外資企業は利益がでてから、二年間が全額免除、三年間は半減というものである。中国の企業所得税(企業法人税)33%に対して、開発区に進出した外資は15%或いは24%という低率である。
3月16日に全国人民代表大会(全人代)で採択された企業所得税法は、世界貿易機構(WTO)の内外無差別原則に基づき、国内企業、外国企業ともに税率を25%に統一するというものである。施行時期は、2008年1月の見込みであり、 施行後5年間は猶予期間とされ、完全に撤廃されるのは2013年となる。
但し、ハイテク企業は、内資・外資ともに15%、中小企業で一定条件を満たしたものが20%、重要インフラも減免を享受できることになっているが、その基準は未だ発表されていない。
◆日系企業の対中投資が減少へ
日本が対中特需に沸いた04年以降、世界の対中投資は、3年連続で600億ドルという高水準を維持している。だが、日系企業の投資は、05年の63億ドルから06年の46億ドルへと大幅な減少を示した。
この原因は、経済発展に伴い、安価であった土地・労働力、人民元が上昇し始め、更には優遇税制の撤廃を見越してのことであり、日本特有のものとしては、05年春の排日運動の影響と自動車・エレクトロニクスなどの投資が一巡したことである。
中国側の戦略は、ローテク企業を沿海地区から内陸へ誘致することにより、地域格差を是正し、沿海地区にはハイテク企業を誘致して産業構造を転換するという一石二鳥を狙ったものである。
しかしながら、外資系企業全てが内陸部へ移動するわけでもない。ローコストという点ではベトナムが注目を浴びている。チャイナ+ONEである。中国とは陸路でも結ばれており、中国企業そのものも、投資を始めている。内陸部も、投資環境を魅力あるものに変えていかなければならない。
中国はローコストの加工貿易で1兆ドルという莫大な外貨準備高を誇るに至った。元の切り上げを初めとするコスト上昇は、必至である。インド、ベトナムが急追している。外資依存の経済発展は、早晩、転換せざるを得ない。
06年から商務部は、投資の先行指標である投資契約高を発表しなくなった。日系企業以外も、対中投資の減少が予想されている。「世界の工場」から「世界の市場」への移行が進行しつつある。
日本国内の自動車市場は、90年に778万台だったが、06年には574万台に減少している。他方、中国は06年時点で720万台にまで増え、日本を抜き去った。携帯電話も既に4億台を超えており、国内市場も成長してきた。元の切り上げは輸出に不利だが、国内消費には有利となる。GDP寄与度の変化は、元のレートによるところが大きい。
◆中国の貿易黒字が2000億ドル突破
11月12日、中国税関総署は、1月から10月までの貿易黒字が2123億ドルに達したことを発表した。年末には、2500億ドルを超える模様。年間の黒字額は、昨年の1775億ドルが最高だった。
黒字拡大の牽引役である輸出は、1~10月で、9858億ドルと対昨年比26.5%増。輸入が同期7734億ドルの同19.8%増にとどまり、大幅な黒字となった。輸出の稼ぎ頭は「電気製品・機械」で、5622億ドル(30%増)となり、輸出全体の57%を占める。伝統的輸出産業であった衣類の輸出が23%増にとどまり、付加価値の高い産業へのシフトが進みつつあることが分かる。
黒字の主因が低く設定されてきた元の為替レートにあることは間違いない。 取分け、最大の赤字国であるアメリカ、ユーロ高にある欧州各国の元の切り上げ要求が益々強まる情勢となった。
◆知的財産権の係争において、日系企業が勝訴で結審
11月12日、ケンウッドが、「中国における商標権、意匠権、著作権侵害に対する模倣品裁判において、すべて勝訴で結審」と発表した。
同社は、中国企業3社の同社に対する①商標権侵害および不競法違反、②著作権侵害、③意匠権侵害の計3件の訴訟を中国の北京第一中級人民法院に提訴し、4月の第一審判決で全面勝訴した。
その後、相手方の上告により審理されていた北京高級法院においても、上告棄却による第一審判決維持という全面勝訴となった。
これにより、中国企業3社に対して損害賠償(総額430万元、約6,665万円)の支払い命令が出された。
期間一年の上げ幅は貸し出しが0.18%、預金が0.27%であり、基準金利は貸し出しが7.47%、定期預金が4.14%となった。 但し、消費者物価指数(CPI)2007年の上昇率は4.5%(消費の3分の1を占める食品価格は15%)であり、実質金利が依然マイナスである。
2001年12月に中国がWTOに加盟してから6年が経った。貿易総額は毎年20%以上の増加し、世界第3位の貿易大国となった。輸出は、ほぼ5倍の1兆2180万ドルとなり、アメリカを抜き、ドイツ(1兆4000万ドル)に次ぐ世界第2の輸出国である。輸入が4倍強に止まり、貿易黒字は11倍強に達し、外貨準備高も7倍となり、世界最大の1兆5千億米ドルに達した。第2位の日本(1兆ドル弱)を大きく引き離している。
中国の最大貿易相手国はEUであり、第2がアメリカ。第3に日本がつづく。
日中両国の貿易総額は2360億ドル、うち対日輸出は1339億ドル、対日輸入が1020億ドルであった。日本の対中貿易は赤字だが、対香港貿易の黒字がこれをカバーしている。
2008年にはドイツを抜き、中国が世界最大の輸出国になると予測されている。
正に世界の工場である。しかし、中国の輸出を担っているのが外資系企業であり、対外輸出の67%を占めている。中国企業は、労働集約型の産業が過半を占めており、技術力の強化と独自技術の開発力が求められている。
中国の輸出入 単位:億ドル
中国のGDP(2007年)
07年の中国の国内総生産(GDP)実質成長率は11।4%と03年から5年連続の二桁成長となり、02年の2倍となった。名目GDP総額は、24兆6619億元。
拡大する貿易黒字と旺盛な建設・設備投資が、高度成長のけん引役であった。
同日のレートで換算すると約3兆4130億ドル(約363兆円)となり、ドイツの3兆5419ドルとの差は、僅か1289億ドルである。成長率と元の切上げ傾向を勘案すれば、08年はドイツを抜き、米日に次ぐ経済大国となる。
しかしながら、中国は人口が13億を数え、国民一人当たりのGDPは2600ドルに過ぎず、開発途上国という位置づけになってしまう。沿海主要都市の一人当たりGDPは高く、広州は1万ドルに達しており、上海、北京がこれに続く。
他方、内陸部は貧しく、最も貧しい地域では1000ドル程度。最上位と最下位では、10:1の比率となる。
因みに、消費者物価指数は4,7%上昇。うち食品が12।3%、豚肉で31%であった。

◆『労働契約法』が2008年1月1日から施行
2007年6月29日、『労働契約法』が公布され、2008年1月1日に施行されることになった。『労働法』第二章「労働契約及び集団契約」(6条~52条)を独立させ、『労働契約法』(五章98条)とした。労働者の保護と長期雇用促進が、詳しく明確に規定されたのである。
労働契約は、同法10条により1ヶ月以内の締結義務が規定され、1ヶ月を超えても(1年以内)締結しなかった場合、雇用者は給与の倍額を支払わなければならない。また同法第9条により、逃亡予防策として行われてきた身分証明書の強制保管・保証金の強制積み立てが禁止された。長期雇用促進については、第14条に、10年以上勤務したもの(第1項)・契約を2回更新したもの(第3項)は期間の定めなき雇用(正社員)へ移行することが規定されている。
派遣会社は、50万元以上の資本金(57条)及び派遣社員と2年間以上の雇用契約(58条)が義務づけられた。試用期間についても、最長の6ヶ月の場合は契約期間を3年以上(19条)、給与は社内同等業務の80%以上(20条)と定められ、その濫用を防いでいる。
◆最低賃金の改訂と賃金動向(2007年)
2007年9月1日、上海市の最低賃金が750元から840元に引き上げられ、深圳特区の810元を超え、最高額となった。同日、マクドナルドは、中国国内815店舗の給与を12%~56%(平均30%)引き上げた。中国に進出して17年が経つが、初めての賃上げである。現場従業員に手厚く、アルバイトで働く学生の賃金が最も大幅に引き上げられた。しかし、販売価格は据え置き。労働効率を高め、賃上げ分を吸収するという。
1992年、鄧小平の南巡講話により、中国は外資導入に大きく踏み出した。目的は資本と技術。その代価が、使い勝手の良い低廉な労働力であった。10年以上も賃金が殆ど上昇せず、企業も大きく成長し、資本も蓄積できた。しかし、低賃金政策も、格差があまりにも大きくなり、限界に達した。それは外資系企業に止まらず、中国企業にも当て嵌まる。
最低賃金上昇率の全国平均は、18%である。大幅上昇の理由として、第一に物価取分け食料品の高騰に影響を受ける低所得者に対する配慮と格差是正がある。今後、地方政府は、物価上昇率を見ながら、適宜、最低賃金を改訂していかなければならない。第二が安価な労働力に対する諸外国からの批判がある。大幅な貿易黒字と出稼ぎ労働者など劣悪な労働環境の二点からなる。第三は産業構造の高度化である。労働契約法と相俟って技能者の底上げと長期雇用を推進し、技能向上を図ることにより、技能者に対するハイテク産業のニーズを満たそうとするものである。
◆広東省の外資系工場が内陸へ移転を始める
2004年春節に始まった深圳、東莞などの労働力不足が契機となり、賃金がこの2年間で4割上昇しており、最低賃金も610元から810元に引き上げられた。広東省でも、内陸部は賃金が500元程度であり、香港、台湾の企業が既に移転を始めている。深圳、東莞、上海、大連などの沿海各地は、高付加価値の外資を引き続き優遇するが、低付加価値の工場については、内陸部への移転をすすめる。内陸部の都市は、経済の活性化と失業率の低下に大きく役立つとして、インフラを整備し、受入れの準備に着手している。
◆中国労働データ(2006年末)
1.雇用状況
中国の雇用者総数は7億6400万人、前年比575万人の増加となった。GDP 2兆6600億ドル・前年比10.7%増という高度成長に支えられ、都市部登録失業率も4.1%と0.1%低下し、同失業者数は847万人であった。 雇用構造は、第一次産業3億2500万人(42.6%)、第二次産業1億9200万人(25.2%)、第三次産業2億4600万人(32.2%)である。割合としては、第一次産業が減少、第三次産業が増加し、第二次産業には変化が無かった。
2.職業紹介
職業紹介機関は、37450箇所(前年比1703箇所増)に達した。内、公共職業紹介所が24777箇所であり、延べ1万8465人が再就職に成功した(前年比20%)。
3.職業訓練
技工学校は2880校に増え、訓練生数が321万人に達した(前年比46万人)。また社会にも開放し、延べ338万人の訓練を行なった(前年比 23.6%増)。この他に、就業訓練センター3212箇所、民営訓練機関21462箇所において、延べ1905万人に対して、職業訓練を実施した。失業者645万人も訓練を受けた。
4.技能検定
技能検定機関数は7957機関、検定員が16万人。1182万が検定を受検し(前年比18%増)、925万人が各種検定に合格した(前年比11%増)。
※ 田成平(労働社会保障部長)発言(ワシントン ブルッキングス研究所) 「中国の都市部で毎年2400万人の雇用需要を生じるが、就職できるのは約1100万人であり、1300万人が就職できず、更に、農村部の労働力4億9700万人がおり、2億人が出稼ぎ、1億8000万人が農作業に従事しているが、このようなラフな計算でも、なお1億人強の農民が余剰労働力となっている」。
〔注釈〕富士通総研の上席研究員柯隆氏は、都市部の登録人口1億9000万人に対して2100万人が失業状態にあり、農村部4億9000万人に対して1億人以上が失業状態にあるので、失業率は最低でも17.8%、20%近くになる、と述べている。
◆中国の社会保険データ(2006年)
1.養老保険(年金)
1)都市基本養老保険
付保者数が1億8700万人(内訳は、就業者1億4100万人、定年退職者4600万人)。
※基本養老保険に加入している農村からの出稼ぎ労働者は1417万人。
2)農村養老保険
付保者数が5374万人。保険受給者数は355万人で、受領総額が30億元である。一人当たり年額845元(約13,520日本円)。月額70元(1120日本円)となる。
2.失業保険
失業保険加入者数は、1億1187万人(前年比539万人増)。失業保険受給者が327万人(前年比35万人減)であった。
失業保険の収入は、385億元(前年比15.8%増)。基金の支出が193億元(前年比6.9%減)。基金累計額は、708億元に達した。
3.医療保険
基本医療保険加入者数は、1億5732万人(前年比1949万人増)。内訳は、在職者が1億1580万人、定年退職者が4152万人である。基本医療保険に加入している出稼ぎ労働者2367万人になった。
医療保険基金収入は、1747億元(前年比24.3%増)。支出が1277億元(同18,3%増)基金累計額が1752億元に達した。
4.工傷保険(労災)
工傷保険加入者数は、1億268万人(前年比1790万人増)。内、出稼ぎ労働者の加入者数が2537万人。給付者数が78万人(前年比13万人増)である。
工傷保険基金収入は、122億元(31.7%増)。支出が68.5億元(44.2%増)。基金累計額は、193億間に達した。
5.生育保険(出産)
生育保険加入者数は、6459万人(前年比1051万人増)。保険受給者数が108万人(前年比46万人増)である。
生育保険基金収入は、62億元(前年比41.9%増)。支出が37億元(前年比36.8%増)基金の累計額は97億元に達した。
◆中国のGDPと貿易(ドルベース)
2006年GDP上位5カ国


貿易黒字は1775億ドルという巨額に達するが、その80%強の1443億ドルが対米黒字である。
2)2006年対日輸出入

◆中国の基本データ(2006年)
国内総生産(GDP) :20兆9400億元(前年比10.7%増)
財 政 収 入 :3兆9300億元(同比7693億元増)
貿 易 総 額 :1兆7600億ドル(同比23.8%増)
都市部新規就職者 :1184万人
都市部可処分所得 :1万1759元/1人(同比10.4%増)
農村部純収入 :3587元/1人(同比7.4%増)
自動車販売台数 :760万台
原炭生産量 :23.25億トン
粗鋼生産量 :4.2億トン
発電設備容量 :6億2200万kw
発電量 :2兆8344億kwh
大学卒業者数 :413万人
◆中国移動(チャイナモバイル)が一人勝ち

◆日本抜き世界2位に
中国自動車工業協会によると、2006年に、中国で自動車の生産台数、販売台数ともに720万台を超え、販売台数は初めて日本を抜いて、米国に次ぐ世界2位となった。
生産台数が前年比27.3%増の727.97万台、販売台数が25.1%増の721.60万台である。マイカー購入は300万台近くに達した。中国自動車工業協会の蒋雷常務副会長は中国メディアのインタビューに対して、今年の販売台数は昨年より15%増え、800万台を突破すると回答している。蒋氏によると10年の販売台数は1000万台、20年には米国を抜いて世界一の2000万台に達する。
◆粗鋼生産2位日本3.6倍
国際鉄鋼協会(IISI)は22日に06年の粗鋼生産統計を発表した。それによると中国の生産量は05年より18.5%増加し、4億1880万トンに達した。世界の生産量は8.8%増の12億3950万トン、中国のシェアは33.8%で、世界一の粗鋼生産国である。2位は日本で、3.3%増の1億1620万トンだった。中国の生産量は2位日本の3.6倍に達する。3位は米国で3.8%増の9850万トンである。
国家炭鉱安全監察局によると中国の06年の原炭生産量が前年比8.1%増の23.25億トンに達した。中国の原炭生産量は2000年に9.99億トンまで落ち込んだが、02年には14.15億トンとなり、04年は19.97億トンだった。
また、06年の炭鉱事故による死者は20.1%減の4746人に減少した。死者が4800人を下回ったのは30年ぶりである。一度に100人以上が死亡する事故はみられなかった。しかし、重大事故による死者は22.2%増えた。超大型事故39件のうち22件は違法炭坑で起きたものだった
◆中国06年 火力8割強占める
中国電力企業連合会が発表した06年電力工業統計速報によると06年の発電量は前年比13.5%増の2兆8344億キロワット時に達した。うち火力発電が83.2%を占める2兆3573億キロワット時(前年比15.3%増、以下同じ)、水力が4167億キロワット時(5.1%増)で、原子力が1.9%を占める543億ワット時(2.4%増)だった。電力使用量は14.0%増の2兆8248億キロワット時で、うち住民生活用が14.7%増の3240億キロワット時である。
発電設備容量は06年末に6億2200万キロワットに達し、前年末より20.3%増えた。内訳は火力発電が4億8405万キロワット、水力発電が1億2857万キロワットなどとなっている。
昨年、新たに建設、運用した発電設備容量は1億117万キロワットだった。うち火力が9048万台キロワット、水力が971万台キロワットである。
2010年末には発電設備容量は8億キロワットに達し、水力、原子力、新エネルギーなどのクリーン発電が全体の35%を超えるとみられている。
◆世界最大のシップリフトが三峡ダムで着工
三峡シップリフト下流左側スロープの掘削が、このほど、正式に着工した。三峡シップリフト基礎の掘削、基礎コンクリート打設が、愈々、本格的に開始される。これは、世界最大の垂直シップリフトの前期工事の幕開けを意味する。
シップリフトは、三峡ダム左岸に位置し、三峡ダム建設の恒久的通航施設であり、客船、特殊船がスピーデイに通航できる。リフトは、長さ132m、幅23.4m、高さ10m。最大高度は113m、総重量が13,000トン。その規模と技術的難度は、世界のシップリフト建設において、先例が無い。
三峡リフトは中国と外国との共同設計方式を採用し、長江水利委員会設計院とドイツのLI-KuKの共同企業体が設計を担当した。中国三峡総公司は、反復論証と方案比較を経て、ワイア巻上げ方案を歯車・歯条リフト方式及び短ボルト・長ナット安全保障システムに変更して、本年7月、全体設計の審査が終了した。
三峡ダムを通航する一年間の貨物量は、5,000万トンを超え、毎日200隻近い船舶が通過しており、急増の勢いを呈している。三峡リフト竣工後は、3000トンの船舶一隻が通航可能となり、所要時間は40分である。
2007年11月12日
◆三峡ダムの施工状況
昨年末の時点で、三峡ダムは、右岸のダム本体部分も185メートルの高さに達し、グレーチングの据付に入った。洪水防止の機能は、予定よりも1年以上早く達成された。 左岸の発電機14台も、既に156メートルの水位で運開している。右岸の発電機は、1台目のタービンが設置されたところである。右岸12台の内、まず東方電機、ハルビン電機の各4台、計8台が設置される予定。2009年までには、70万キロワット26台全てが運開されるが、合計1820万キロワットの電源容量となる。
中国の電源容量は、昨年末に6億キロワットに達した。
船舶輸送の能力は、シップロック2ラインで年間5千万トンに達した。本年中には、シップリフト1基が完成し、3000トンの貨物船が昇降できるようになり、能力が大幅に向上することとなる。
2007年1月18日
