災いを福に転じた四川大地震

理事長 凌星光

 512日、四川省での大地震は、中国の経済社会に大きな打撃を与えたが、胡錦濤指導部が開明的な対応をしたために、多くの喜ばしい進歩を遂げている。

 先ず、国民の連帯感が強化され、拝金主義、利己主義の悪弊が改善されつつある。義捐金募集活動やボランティア支援活動が活発に行われ、多くの日本人もこの変化に驚きを感じている。

 次に、政府と国民が一致団結して取り組む姿勢が顕著に現れた。「おから工事」による学校崩壊など、被災者の政府への不満もあるが、各省が一つの被災県を支援するという責任分担制を敷くなど、指導者の素早い対応は国民からも評価されているようだ。

第三に、マスコミの開放性がこれまでになくはっきりと示された。中国内外の記者が現場から世界に向けて生放送を行うなど、国内だけでなく、諸外国からも高い評価を受け、中国のイメージが大いに高まった。

 第四に外国レスキュー隊を受け入れたこともイメージアップに繋がった。地震発生直後、日本の人々は同情的であったが、翌13日に物資と資金は受け入れるが、人的支援は受け入れ困難というニュースが流れると、たちまち反中国政府感情が高まった。14日の朝、中国指導部が重要決定を行い、午後、レスキュー隊を受け入れることになったというニュースが流れると、たちまち対中感情が好転した。中国はこのプロセスを見て、国際協調姿勢の重要性を深く認識したことであろう。日本のレスキュー隊が整列して亡くなった親子の屍に黙祷をささげる光景は中国全土に流され、日本文化の一端を中国民衆に示すよい機会となった。

 ただ、日本チームは被災地現場ではなく、大きな病院に配属されたことで、日中双方の間でちょっとした食い違いが起きた。終わった段階での調査研究によって、問題は日本側が中国の要望に合わせるのではなく、中国側に日本チームの状況に合わせるよう求めたことにあったと日本側自らが反省の弁を行った。実に立派な総括である。相互理解と相互信頼を深めるよき範例を示してくれたと評価したい。

最後に、日本軍用機による緊急物資輸送が挫折したことは残念である。中国民衆の心の準備がまだ出来ていなかったのである。政府間或いは有識者レベルでは戦略的互恵関係についてコンセンサスを得ていても、それをどうやって民衆レベルにまで浸透させるかが課題として残っているのだ。日中双方にとっていい教訓となったといえよう。

四川大地震によって、日中間の国民感情がお互いに和らいだという感じを受けた人は多いと思われる。日中双方の努力によって、災いが福に転じたのである。(0866日)

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このページは、日中科学技術文化センターが2008年6月24日 09:29に書いたブログ記事です。

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